お客様のサービスを体験して分かること
どの仕事においても共通点であるとは思いますが、とりわけ広告、マーケティングでは、仕事に関わる自分自身の体験が、仕事に与える影響が大きいと考えています。
お客様のサービスを体験すること、また自分自身がお客様が提供するサービスの「顧客」になることで、初めて見える視点もあり、特に「身銭」を切る体験は、良くも悪くもサービスの本当の価値を判断できる機会になると思います。
会社に属する立場では、毎度毎度「身銭」を切る経験も難しいと思うため、会社で必要なことは「経費」として処理できることが望ましいですが、いずれにせよ、こういう経験が広告の訴求を考えたり、ペルソナを考える裏付けになるなど、非常に重要な体験だと考えています。
先日、当社のクリエイターが制作に関わる案件で、名古屋市内にお客様が出店する機会があり、実際に商品を買いに行きました。ショッピングモールなどに期間限定で出店する形態であり、いわゆる「催事出店」のモデルとなります。
「クロワッサンたい焼き」の商品を販売するお店となりますが、現地に行くと、制作の際には体験が難しい「クロワッサンたい焼き」を焼く、香ばしいバターの匂いが食欲をそそられます。お店が見える前から香ばしいバターの匂いがするため、気になりお店を探すと思いますし、平日のお昼でしたが、「クロワッサンたい焼き」を求めるお客様も多く、こういう情報は現地へ行かないと見えづらい情報だとも思います。
実際に商品を購入して「クロワッサンたい焼き」を食べることで、シンプルに「美味しい」、「バターが香ばしい」、「あんことバターの絶妙なハーモニー」など、広告で使えるキャッチコピーのアイデアの材料にもなりますし、そのコピーに対して自信を持ち制作ができるかと思います。
当たり前のことを書いてはいるのですが、この当たり前のことができているかどうかで、広告、マーケティングのパフォーマンスは大きく変わると考えているため、積極的にお客様のサービスを体験すること、また体験が難しい時は、擬似体験や他のユーザーの声を参考にできるようにしたく思います。
最後に余談を少し・・・
本件は二次請けの案件で、一次請けの担当者(尊敬する先輩)へ連絡を入れてから商品を買いに行きました。商品を選び、支払いをしようとしたところ店主から「もうお代はもらってますから」とのこと。
すでに一次請けの担当者からお店へ連絡があり、粋な心遣いをいただいておりました。
もちろん、そういう意味で連絡をしたわけではなく、とはいえこうなることを予想できなかった私も勘が悪いのですが、先輩のお気遣いや心意気に素直に「かっこいいな」と思う日でもありました。