データのオープンシェア革命
「データのオープンシェア革命」をご存知でしょうか?
少し前になりますが、NHKのクローズアップ現代で特集されており、私が知るきっかけとなりました。
NHK:クローズアップ現代
この特集ではMLB(メジャーリーグベースボール)、大学駅伝など、スポーツに関連する「データのオープンシェア革命」の内容が中心でした。当時、この特集を見た私はただ単純に考え方が新鮮であり、理にかなった考え方だなと思いましたが、「はたして自分の業界でもできるのか?」と疑問が浮かびました。
私が仕事をしている「広告」、とりわけ「デジタル広告」の業界は、テクノロジーの進化もあり、今では日本の広告費のシェアで1番となりましたが、その一つの要因としては取得できる「データの量」があると思います。
広告の表示回数、クリック数、その後のアクションであるコンバージョン数についても計測ができる環境があり、「データ(数値)」が全ての世界でもあります。
ただし、ここからが非常に難しい問題なのですが、この「データ」は広告を実際に動かしている「広告代理店のデータ」ではなく、広告出稿を委託している「広告主のデータ」となります。その関係もあり、広告掲載における具体的な数値のシェア、また施策における数値のシェアなどは限定されており、「データのオープンシェア革命」とは真逆の業界だと考えています。
また、クローズアップ現代の特集の内容にもあるシェアすることで業界全体のレベルが上がり、結果として好循環が生まれるという考え方も、企業の売上に直結するマーケティング活動の数値は機密性が高いデータになるため、「シェアをしよう!」という考え方にはなりづらいと考えられます。
「はたしてそれは本当なのか?」
様々な考え方がありますが、私はシェアしても問題ないと考えています。それはなぜか?
デジタル広告、マーケティング全般などに言えることになりますが、この業界の「再現性の低さ」が一つの理由です。
例えば、新しい媒体へ投資をした時の数値、新しいクリエイティブを検証して得た数値、この数値や施策の詳細を共有したとしても、「広告主」のビジネス環境により、得られる結果は全く違う結果となります。
結局、同じ施策を再現して取り組みをしたとしても、広告主側の環境(ランディングページ/在庫/LTV/CRM・・・)にも影響することから、同じ投資効果を得ることは、まずないと考えられます。
それであれば、顧客(広告主)の許可を得られた場合は、積極的に情報(データ)をシェアしても良いのではないか?という考え方になりました。
もちろん、経営指標にかかわる売上金額、顧客獲得単価、LTV(生涯顧客価値)などのデータについては機密情報になるため、シェアはしません。その代わりではありませんが、広告施策により改善したパフォーマンスの詳細、ある媒体プロダクトで成功した推奨運用方法、クリエイティブ施策における改善内容などについては、積極的に情報発信(オープンシェア)をして、日々の運用改善におけるヒント、また施策の優先順位をつける際の参考にしてもらうことで、デジタルマーケティングにかかわる人たちへのメリットになるのではと考えています。
また、クローズアップ現代の特集にもあるシェアすることで「フィードバック」が得られるという点も、非常に魅力的に感じています。
(弊社のブログ記事についても是非フィードバックをくださいませ!)
あくまでも弊社の考え方であり、広告主のご理解あっての考え方でございます。またこの考え方が正しいという意見でもありませんので、ご理解いただければと思います。
弊社の顧客との取り組み方も関係しているかもしれませんが、顧客から事例を開示して問題ないと仰っていただけるケースがありますので、本ブログ、また弊社の実績ページより情報発信(データのオープンシェア)をしていきたく考えております。