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【Google広告】「デマンドジェネレーション」キャンペーン成功のポイントとは?

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2024年から本格的に稼働したGoogle広告の「デマンドジェネレーション」キャンペーン。「ファインド」キャンペーンがアップグレードする形でリリースされましたが、「ファインド」キャンペーンとは広告の動き方が違うと感じている方も多いのではないでしょうか?

クリエティブフォーマットとして「動画広告」の追加、目標として新しく「クリック数」の入札戦略が追加されるなど、機能面でも「ファインド」キャンペーンとは違いがありますが、広告へ設定する「クリエイティブ(アセット)」の配信についても大きな違いがあります。

「デマンドジェネレーション」キャンペーンでは、どういう傾向があるのか、また成功のポイントは何か?について、アップグレード前の「ファインド」キャンペーンと比較して考えていきたく思います。

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デマンドジェネレーション(Demand Gen)

「ファインド」キャンペーンとの違いについて

入札戦略:「クリック数」の追加

キャンペーン単位で設定ができる入札戦略に「クリック数」が追加されました。ファインドでは「コンバージョン(tCPA)」、「コンバージョン値(tROAS)」の2択でした。

Google管理画面より

記載の通り、クリック単価ベースの入札戦略となりますが、注意点は「目標クリック単価」や「上限クリック単価」が設定できないことです。

実際に「クリック数」の入札戦略で広告を配信したところ、「コンバージョン(tCPA設定あり)」入札戦略と比較して、クリック単価が約8倍の上昇となり、クリック率が約1/2に下がる結果となり、恐らく設定している日予算を消化をする前提の動きになっていると考えられます(tCPAを設定しない「コンバージョン数の最大化」などと同様の動き)。

広告の種類:「動画広告」の追加

YouTube広告のようにYouTubeへアップロードした動画を中心に広告展開ができるようになりました。

  1. 横向き: 16:9
  2. スクエア: 1:1
  3. 縦長: 9:16

動画の仕様は上記3種類となり、イメージ広告(静止画タイプ)同様に「広告見出し」、「説明文」と組み合わせて広告を設定します。

オーディエンス:「類似セグメント」の追加

2023年8月に廃止がされた「類似セグメント」。ファインドでは顧客属性に近い「類似セグメント」の広告成果が高いなど、一定のパフォーマンスが期待できるオーディエンスでした。この「類似セグメント」が「デマンドジェネレーション」キャンペーンでは再び利用ができるようになりました

廃止された「類似セグメント」とは違い基なるリストを選択した後、「地域」と「セグメントのリーチ」を選択できることが特徴です。

Google広告の管理画面より

「セグメントのリーチ」では3パターンから選択ができ、類似性の高い2.5%バランス重視の5%部分一致の10%の選択肢が用意されています。「利用可能な週単位のインプレッション数」として予測の数値が確認できますが、2.5%のリーチが類似の精度が高く、10%になるにつれ低いと考えられます。

ただし、精度の高さと広告成果が良いかどうかは別問題であり、実際に各リーチのセグメントを検証する必要があると考えています。

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デマンドジェネレーション(Demand Gen)

「クリエイティブ(アセット)」の配信傾向について

ここではファインドの時に広告配信の中心であった「シングルイメージ広告(カルーセルではないタイプ)」の配信傾向について考えていきます。

ファインドでの傾向は?

CV獲得を目的した配信環境となりますが、ファインドでのCV獲得シェアが多いフォーマットは縦長の画像(4:5)の傾向がありました。
※配信傾向は広告主、アカウント状況により異なりますのでご了承ください。

ファインド、デマンドジェネレーションともに配信面が確認できない仕様のため、仮説となりますが、ファインドの縦長の画像(4:5)の掲載の中心が「Discover(ディスカバー)」面へ配信されていた可能性を考えています。

Discover(ディスカバー)の掲載面

Gmail、YouTubeの掲載面と比較してコンテンツと広告の親和性が良いこと、またファインドがリリースされる前には広告掲載がなかった(少なかった)掲載面でもあるため、CV獲得が見込める掲載面であったと考えています(仮説です)。

デマンドジェネレーションでの傾向は?

デマンドジェネレーションにアップグレードされ、この傾向が全く変わることになりました。

ファインドではCV獲得の中心でもあった縦長の画像(4:5)の表示回数が少なくなり(ほぼ出なくなり)、その代わりにスクエアの画像(1:1)の表示回数が増えて広告配信の中心となる傾向にあります。

以下は直近の2024年5月の実績です。配信条件は以下の通りです。

デマンドジェネレーションの配信条件
  1. 各画像パターン(3×3=9画像以上)入れた広告有効性は「非常に高い」
  2. 「広告」単位の投資金額は300万円以上
    (キャンペーン単位、広告グループ単位ではなく「広告」単位です。)
  3. 入札戦略は「コンバージョン(tCPA設定あり)」
画像タイプ表示回数シェアクリックシェアCVシェア
スクエア(1:1)の画像99.95%99.974%99.97%
横長( 1.91:1)の画像0.02%0.022%0.03%
縦長( 4:5)の画像0.03%0.003%0%
合計100%100%100%
2024年5月実績

弊社が運用しているアカウントの傾向が極端かもしれませんが、他のアカウントでも同様の傾向が見られています。

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デマンドジェネレーション(Demand Gen)

デマンドジェネレーションの成功のポイントとは?

今回の配信傾向の違いから、成功のポイントに向けて考えていきます。上述した通り、ファインドとの機能面での大きな違いは以下の3点でした。

  1. 入札戦略:「クリック数」の追加
  2. 広告の種類:「動画広告」の追加
  3. オーディエンス:「類似セグメント」の追加

❶入札戦略:「クリック数」の追加

目標クリック単価、上限クリック単価が設定できずクリック単価は上昇傾向(予算消化前提)。
→ 現時点では「コンバージョン(tCPA)」、「コンバージョン値(tROAS)」の入札戦略の方がCV獲得には向いていると考えられる。

❷広告の種類:「動画広告」の追加

今回はイメージ広告(静止画タイプ)の配信傾向を比較しているため、「動画広告」は対象外とします。

❸オーディエンス:「類似セグメント」の追加

配信傾向を比較しているため広告に「類似セグメント」を使用していないため対象外とします。

今回のケースでは機能面の違いから配信傾向に与える影響はないと考えられますので、成功ポイントは「クリエイティブ(アセット)」であり、デマンドジェネレーションで配信が偏るスクエアの画像(1:1)をどう攻略するかがポイントであると考えています。

スクエアの画像(1:1)の運用について

現時点(2024年6月)の仕様で考えられるスクエアの画像(1:1)の運用方法について考えてみます。

①スクエアの画像(1:1)の入稿比率を高める

配信が偏るため、成果の良いアセットを見つけるためにもスクエアの画像(1:1)の入稿比率を高める必要があると考えられます。

入稿ルールが変更されています

以前は「スクエア(1:1)の画像」と「横長( 1.91:1)の画像」を最低1枚は入れないと広告が入稿できませんでしたが、このルールが廃止されています(2024年6月時点)。

②スクエアの画像のデザイン検証

Googleが提供する活用ガイド資料のベストプラクティスでは、画像を魅力的に見せるためにイメージ内に文章を入れない「プレーントリミング」を推奨しています。

しかし、スクエアの画像(1:1)が中心になることで、広告が閲覧デバイスの画面に占める割合(占有率)が高まるため、画像素材によっては「プレーントリミング」だと広告の訴求が分かりづらくなるケースもあり、トリミングした画像に対してデザインを追加する、また画像内テキストを追加するなど、従来のバナー画像の要素を取り入れた画像の検証をする必要があると考えています。

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デマンドジェネレーション(Demand Gen)

まとめ

今回は「デマンドジェネレーション」キャンペーンの成功ポイントについて、アップグレード前の「ファインド」キャンペーンと比較しながら、現在の傾向を踏まえて考えてきました。

弊社アカウントだけの傾向の可能性もありますが、本ブログ記事の内容と同様の傾向がある方、また「デマンドジェネレーション」へアップグレードされてから広告成果が芳しくない方など、弊社の運用実績より「デマンドジェネレーション」キャンペーンの成功へ向けて支援ができる体制がございます。

本ブログの内容に少しでもご興味がある場合は、お気軽にお問合せをいただければ幸いです。お力添えをさせてください。

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著者
棚橋広幸
棚橋広幸
インテグリティ代表
株式会社インテグリティの代表である棚橋(タナハシ)でございます。会社、事業への想い、日々の業務における気づきなど、幅広くブログの投稿をしております。このブログを通して、多くの人とご縁ができますと幸いでございます。
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