【Google広告】コンバージョンアクションをGA4データへ切り替える理由について
Appleの規制を筆頭に、日々規制が強まる広告のトラッキング(追跡・分析)。ブラウザではSafari(Apple開発のブラウザ)の規制を追うように、2025年初頭にはChrome(Google開発のブラウザ)でもサードパーティーCookieの廃止が予定されています。
日本ではiPhoneを使うユーザーが多いことから、スマートフォンのブラウザのシェアはSafariが多く、次ぐChromeについてもサードパーティーCookieが使えなくなることから、トラッキングにおける環境はさらに悪くなると考えられます。
トラッキング規制により、日々の広告運用に取り組む中で様々な機能に影響が出ています。追跡ターゲティングの代表格である「リマーケティング配信」は、すでに機能していないケースが多いと思うのであきらめもつきますが、デジタル広告の根幹でもあると言える成果計測(コンバージョン計測)については、可能な限り対策を取りたい領域になると考えています。
今回はGoogle広告における成果計測(コンバージョン計測)について考えていきます。
Google広告での対策について
拡張コンバージョン
自社のウェブサイトで取得したファーストパーティーのコンバージョンデータをGoogleに送信する機能です。
ファーストパーティー(自社サイト)で取得ができるユーザーのメールアドレス、氏名、住所、電話番号などを指しています。
拡張コンバージョンでは、このファーストパーティーのデータをハッシュ化(不可逆な暗号化)された形式でGoogleに送信することで、より正確なコンバージョン測定と高度な入札単価設定を可能にする機能となります。
※不可逆な…元の状態に戻せない
拡張コンバージョンは、Googleアカウントへログインしていることが前提となり、ログインをしていればGoogle側ではメールアドレスを中心としたログイン情報を把握できます。ウェブサイトでユーザーがコンバージョンした際のメールアドレスなどと照合ができることで、そのユーザーがGoogle広告からコンバージョンしたかをレポートすることが可能となります。
- 本来なら測定できなかったコンバージョンが回復する
- より優れたデータで入札単価の最適化を改善する
- ファーストパーティの顧客データをハッシュ化することでプライバシーを保護する
Google広告ヘルプ:拡張コンバージョンについて
https://support.google.com/google-ads/answer/9888656?hl=ja
拡張コンバージョンはCookieによる計測ではないため、規制が厳しくなるサードパーティーCookie、またファーストパーティーCookieのトラッキング制限とは関係なく計測ができることもメリットになるかと考えています。
GA4コンバージョンデータの活用
GA4は、Google広告と同様に「Googleタグ」を使うため計測の仕組み自体は同じ仕様となりますが、GA4で取得している他媒体のデータ、またサイト全体のトラフィックが把握できているため、Google広告と比較してデータ量が多いことが特徴になります。
GA4のコンバージョンは、2024年5月より「キーイベント」という名前に変更されました。変更の理由はGoogle広告のコンバージョンと区別するためです。
GA4で取得している各データをGoogle広告で活用するためには連携作業が必要となります。
GA4データをGoogle広告へ連携する方法
Google広告の「ツールと設定」→「測定 > コンバージョン」→ 「新しいコンバージョンアクション」からGA4で計測しているキーイベントをインポートすることができます。
インポートするコンバージョンを計測環境に合わせて選択して進むと、GA4でキーイベントに設定しているイベントが表示されるため、対象のキーイベントを選択してインポートのする流れとなります。
アクションの最適化について
キーイベントをインポートした後、「広告入札の最適化」としてデータを活用する際は「アクションの最適化」を「メイン」へ設定します。「メイン」とすることで、GA4のキーイベントをGoogle広告での「広告入札の最適化」として利用することができます。
アクションの最適化には「メイン」ではなく「サブ」と呼ばれる設定もあります。「サブ」では「広告入札の最適化」にはデータを利用せず、モニタリングとしてデータを取得するのみとなります。
GA4のコンバージョン(キーイベント)データへいきなり切り替えるのが難しい場合など、アクションの最適化の設定を「サブ」へすることで回避できるため、まずは「サブ」の設定でGA4のデータを連携するという流れが良いかと思います。
GA4のコンバージョンデータが、Google広告のイベントスニペットで取得しているコンバージョンデータと「乖離はあるのか?」、また基本的にはどちらもDDA(データ・ドリブン・アトリビューション)の設定になるため、各キャンペーンへ振り分けられるCV数に違いがあるのかなど、まずはデータの傾向を把握することが必要かと考えています。
データの傾向を追いかけた後、大きな乖離や問題がない場合は、GA4のコンバージョンデータを活用することを検討していきたく思います。
GA4拡張コンバージョンの設定について
Google広告だけでなく、GA4でも拡張コンバージョンの設定ができるため、Cookie廃止の対策も踏まえて、積極的に拡張コンバージョンの導入を検討してみてください。
アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/14252663?hl=ja
[GA4] Google アナリティクスの拡張コンバージョン
上記のヘルプページでは、概要、メリット、Google広告の拡張コンバージョンとの違い、GA4拡張コンバージョンを有効にする方法が記載されていますので、ご参考にいただけると思います。
Google広告・GA4のコンバージョン計測の特徴を比較
ここからはGoogle広告、GA4でのコンバージョン計測について、それぞれの計測の特徴を比較していきます。それぞれ何ができて、何ができないのか、下部の比較表で整理してもらえると幸いです。
比較表からも分かる通り、GA4の方が使える機能が多く、特に「クロスプラットフォームアトリビューション」、「予測指標とオーディエンス」については、サイト全体、各媒体のデータと連携しているGA4ならではの機能になります。
サードパーティーCookie廃止を筆頭としたCookie規制の影響が強まる中、クロスプラットフォーム(他媒体)でのアトリビューションデータが参照できることは、広告運用において特に強みなるのではないでしょうか。
まとめ:GA4コンバージョンへ切り替える理由
GA4コンバージョンデータへ切り替える理由について、Google広告の計測機能の比較とともに考えてきました。今後の計測環境を考慮すると、さらに取得できるデータに制限がかかる可能性が高いと考えられるため、取得できるデータが多いGA4の活用が増えてくるのでは考えています。
ただし、デジタル広告の運用は非常に変数が多く、GA4に切り替えただけで成果が良くなるとは限りませんし、Google広告ベースでの計測の方が成果が良いケースもあると思うため、各アカウント、広告主様の環境に合わせて、GA4コンバージョンへ切り替えるかを検討できると良いかと思います。
当社では、GA4コンバージョンデータを活用した広告運用、またCookie規制における対策について、様々なアプローチをご提案することが可能でございます。本ブログの内容に少しでもご興味がある場合は、お気軽にお問合せをいただければ幸いです。お力添えをさせてください。
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