【Google広告】分析情報の「オーディエンス分析」を活用できていますか?実際のデータを活用して考えてみる。
Google広告の各キャンペーンで見ることができる「分析情報」。その中の「オーディエンスの分析」を活用できていますでしょうか?
一定のコンバージョン数があるキャンペーンでは、「表示回数」、「クリック」に加えて「コンバージョン」を基準としたオーディエンスの分析を見ることができます。
「コンバージョン数のシェア」、「インデックス」の数値を中心に、コンバージョンしたユーザーの「属性」を裏付けるデータとして分析することができます。
指定したオーディエンスセグメントで発生したコンバージョンに占める割合です。ユーザーが複数のセグメントに含まれている場合もあります。
引用元:Google広告管理画面より
インデックスは、オーディエンスセグメントで発生したコンバージョンに占める割合をオーディエンスセグメントの全対象ユーザーに占める割合で割った値です。インデックスの値が大きいと、指定したオーディエンスセグメントがお客様にとってより独自性が高いことを意味します。
引用元:Google広告管理画面より
実際のデータを使用して見ていきます
弊社で広告運用をしているGoogle広告の実際のデータを使い分析をしていきたく思います。
- サービスは「お取り寄せグルメ」
- 注文単価は1万円超える嗜好品寄りの商品
- 加工品もあるが、生鮮食品の販売に強み
「オーディエンスの分析」データについて
「P-MAX」キャンペーンの分析データを利用して「オーディエンスの分析」を見ていきます。
表示回数
「お取り寄せグルメ」のサービスと関連性が高いと考えられるオーディエンスがインデックス上位にあり、「パン、焼き菓子」、「調味料、ソース」、「料理、焼き菓子の材料」など、「グルメ」と関連するオーディエンスのインデックスが高い結果でした。
ただし、インプレッションのシェアで見ると「簡単料理研究家」、「猫好き」、「クリスマス用品の買い物(実店舗)」の数値が高く、広告配信量が多いオーディエンスではないようです。
クリック
「調味料、ソース」、「料理、焼き菓子の材料」は表示回数の分析と同様にインデックス上位となりました。クリック数のシェアで見ると「簡単料理研究家」、「猫好き」、「クリスマス用品の買い物(実店舗)」の数値が高く、表示回数の分析のシェアと連動する形です(広告配信量が多いため、クリック数も多くなると考えられます)。
コンバージョン
コンバージョンを基準とした分析ではインデックス上位のオーディエンスに違いがありました。「節約好き」、「旅行好き(家族旅行)」、「猫好き」がTOP3となりますが、それぞれ「お取り寄せグルメ」とは一見、関係がないようなオーディエンスに思えます。
シェアでは「料理愛好家」が93.1%と高いのですが、表示回数、クリックの分析では出ていないオーディエンスです。
分析情報について考えてみる
ここでは「なぜこのオーディエンスが上位なのか?」を考えていきたく思います。
「猫好き」
表示回数、クリック数、コンバージョン全てで表示されているオーディエンスです。オーディエンスの詳細を見ると以下の内容でした。
「特に猫が好きな人」簡潔な説明ではありますが、全く「お取り寄せグルメ」と繋がりません。私も猫が大好きです(飼ってはいません)。
Googleのデータだし、信ぴょう性なんてないんじゃないの・・・
これまではそういう解釈もしていましたが、ちょっと考えました。まさかと思いましたが、以下の仮説が立ちました。
- 猫が大好き → 猫を飼っている人も含まれる
- 猫を飼っている人 → 猫の習性(外出嫌い)もあり遠出が難しい
- お取り寄せグルメを使う → 仮説
あくまでも仮説ですので、正しいかどうかは分かりませんが、「お取り寄せグルメ」へ繋がりました。クリックの分析で「ペット用品」が上位にあることも、今回の仮説が成り立つかもしれません。
クリスマス用品の買い物(実店舗)
分析情報を見ている時期は4月。なぜ「クリスマス」なのか。単純に考えると謎なのですが、広告主の繁忙期と関係がありそうです。12月が繁忙期にあたり、分析情報のキャンペーンであるP-MAXキャンペーンでは既存顧客へも広告配信が出る設定にしているため、12月にお買い求めいただいたお客様(ユーザー)が影響している可能性が考えられます。
表示回数、クリックでは上位オーディエンスであるものの、コンバージョンでは上位にいないため、この時期には購入をしないオーディエンスの可能性もあります(買うのは12月だけか?)。
この仮説を裏付けるために、「新規顧客に対してのみ入札」をしているP-MAXキャンペーンの分析情報を確認したところ、「クリスマス用品の買い物(実店舗)」が上位にありました。
P-MAXキャンペーンが「アカウント情報を参照しているため」ではないかと解釈しました。
節約好き
「節約好き」だけだと、嗜好品に近いお取り寄せグルメとの関連性は低く思いますが、オーディエンスの説明を見ると、比較検討をするユーザーと想像ができ、ご褒美としてお取り寄せするユーザー、またネット通販慣れしているユーザーが想像できます。
分析後のアクションプランについて
データの分析後、そのデータをどう活用するかが重要なポイントになります。様々な活用ケースがあると思いますが、Google広告と連携する活用方法について考えていきたく思います。
「インデックス」上位のオーディエンス
インデックスの値が大きいオーディエンスは「広告主にとって独自性が高い」という判断になるため、対象のオーディエンスとの相性が良い可能性が考えられます。
表示回数、クリックでのインデックスだと、コンバージョンにつながらない可能性も考えられるため、コンバージョン分析でインデックスが大きいオーディエンスに対して、個別に広告配信をするなど、アプローチをしてみる価値はあると思います。
シェア上位と下位のオーディエンス
- コンバージョン「シェア」上位オーディエンス
- クリック(表示回数)「シェア」下位オーディエンス
上記条件のオーディエンスは、コンバージョンする可能性が高いオーディエンスであるにもかかわらず、表示回数、クリックのシェアが低いため、広告投資における「機会損失」が出ているとも考えられます。
特にP-MAXキャンペーンでは、オーディエンスを指定して配信することができないため、特定オーディエンスを指定できる「デマンドジェネレーション(Demand Gen)」キャンペーンなどを活用して、対象のオーディエンスへの広告配信を強化する施策が考えられます。
各項目の上位オーディエンスを考慮したクリエイティブ制作
インデックス、シェア上位のオーディエンスを考慮したクリエイティブ制作をすることで、今までとは違う訴求、デザインのクリエイティブ展開ができるかもしれません。
例えば「猫好き」。外出嫌いの猫の仮説が立つのであれば、「自宅で猫と楽しめるお取り寄せグルメ」などのクリエイティブ制作ができるかもしれません。
素材は「photoAC」の画像を利用
まとめ
定期的なアップデートにより進化を遂げているGoogle広告の「分析情報」。今回は「オーディエンス分析」について実際のデータを見ながら考えてきました。
弊社では顧客データ分析に基づく「クリエイティブ制作」を中心に、お客様の事業成長を実現するマーケティング支援を得意としております。
今回の「オーディエンス分析」についてさらに詳しく知りたい、具体的な施策案を聞きたいなど、少しでも内容についてご興味がある場合は、お気軽にお問合せくださいませ。
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