【P-MAX】“シグナル”とは?広告成果を改善する活用方法について解説
Google広告の「P-MAX」キャンペーンで設定ができる「シグナル」。「P-MAX」キャンペーンではパフォーマンスを最大化するため「Google AI」を活用しますが、「シグナル」を追加することで「Google AI」が強化される仕組みです。
シグナルには、お客様がリーチしたいユーザーの重要な情報が含まれています。Google 検索や YouTube などで、特定のユーザーに広告を表示するのに役立ちます。
引用元:Google広告管理画面より
signal(シグナル)は「信号」「合図」という意味合いになりますが、その名の通り「Google AI」を強化させるための情報の一つとなります。
今回はシグナルの「種類」、また「活用方法」について考えていきます。
この記事を書いた人
名前 / Name
株式会社インテグリティ
棚橋 広幸
職業 / Occupation
顧客の事業成長を実現するマーケティング支援
実績 / Achievements
デジタルマーケティング支援の会社へ新卒で入社(2008年4月入社)。2017年に独立開業。業界歴は15年以上、営業(顧客理解)、デジタル広告運用、クリエイティブ制作を強みに顧客の事業成長を実現するマーケティング支援に取り組んでおります。
「シグナル」の種類について
検索テーマ
1つ目が「検索テーマ」。2024年からベータ版として展開されているシグナルです。
検索テーマを指定しておくと、Googleの検索データに基づいて、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーが検知されます。その際、より良い結果が出るようにするため、ビジネスと目標に関する情報も併せて使用されます。どのテーマを指定するかは、チャネル全域でどのユーザーに広告を表示するかに影響します。
引用元:Google広告管理画面より
P-MAXキャンペーンで宣伝をする商品、サービスを検索する際に使用が想定される「単語」「フレーズ」を最大で「25個」設定することができます。
Googleヘルプページでは、「AIが短期間では学習できないお客様のビジネスや顧客に関する知識を提供し、パフォーマンスを高めることができます」と記載があり、以下のケースで大きな効果が期待できるとあります。
- 提供している商品やサービスに関する詳細な情報や最新情報がランディング ページに記載されていない。
- 新規市場に参入したばかり、あるいは新しい商品やサービスをリリースしたばかりで、キャンペーンの過去の掲載結果のデータが十分に利用できない。
- 年末商戦期に向けて新しいプロモーションやセールを展開する予定だが、利用できる過去の掲載結果のデータがあまりない。
- P-MAX でのリーチ(P-MAX における検索広告枠を含む)を拡大し、重要なビジネステーマを包括的に網羅したい。
- キャンペーンをすばやく軌道に乗せ、パフォーマンスを短期間で最適化するのに役立つ重要な情報を提供したい。
Google広告ヘルプ
引用元:https://support.google.com/google-ads/answer/13351809
P-MAX キャンペーンの検索テーマについて(ベータ版)
検索テーマに設定する「単語」「フレーズ」ですが、上記のケース、また広告主の環境により変わりますが、以下のような方針が考えられます。
- 検索広告で使用しているキーワード(検索語句)
- コンバージョン(成果)が発生しているキーワード
- 商品、サービスとは直接関係ないが、関連性が高いキーワード
※例えば化粧品の商品であれば「エステ」「美容整形」など - 季節のイベント名(母の日・父の日・ハロウィン・クリスマスなど)
「検索テーマ」と関係するプレースメント
「検索テーマ」という名称もあり、検索広告に活用されるイメージがあると思いますが、検索以外の広告枠と検索広告枠で使用され、過去に入力した(または関連する)検索テーマを現在検索しているユーザー、または過去に検索したことがあるユーザーにリーチすることができます。
P-MAXキャンペーンの配信面が非開示であること、また当社が運用している実績となりますが、「検索テーマ」だけをシグナルとして設定したP-MAXキャンペーンのアセットの「組み合わせ」の上位の組み合わせ(配信面)を確認したところ、検索広告ではないディスプレイ広告枠、または動画広告枠(YouTube)が確認できる状況です。Google広告の運用状況により傾向は違うと考えられますが、当社のお客様のアカウントでは検索広告として掲載されているケースの方が少ない可能性があるかと考えております。
「検索テーマ」を設定しているアセットグループでは、検索広告の配信が増える傾向に仕様が変更されているようです。
オーディエンスシグナル
「オーディエンスシグナル」では以下の内容から任意のリストを作成することができます。
- 広告主様のデータ
過去にお客様のビジネスを利用したことのあるユーザー - 興味 / 関心と詳しいユーザー属性
各自の興味や関心、ライフイベント、詳しいユーザー属性に基づくユーザー - ユーザー属性
年齢や性別、子供の有無、世帯収入など
広告主様のデータ
「過去にお客様のビジネスを利用したことのあるユーザー」とは、顧客リスト、またはリマーケティング(ウェブサイトの訪問者)リストになります。P-MAXではリストに対してターゲティングではなく「シグナル」となりますので、リマーケティング配信ができる仕組みではないことに注意が必要です。
興味 / 関心と詳しいユーザー属性
Googleが用意しているオーディエンスリスト、また広告主がカスタムで作成することができるカスタムインタントを設定することができます。
- 購買意向の強いセグメント
「旅行」「食べ物」「美容、パーソナル」「季節的な買い物」など - ライフイベント
「マイホームの購入」「大学卒」「定年退職」「引越し」「新しいペット」など - 詳しいユーザー属性
「子供の有無」「配偶者の有無」「教育」「住宅所有状況」「就業状況」 - アフィニティ
「スポーツ、フィットネス」「ニュース、政治」「フード、ダイニング」など
- 「キーワード」指定
これらのいずれかの興味 / 関心や購入意向を持つユーザー - 「URL」指定
または類似のウェブサイトを閲覧するユーザー - 「アプリ」指定
Google Playストアで検索
(以下画像のようなイメージで検索ができます)
ユーザー属性
以下内容の「デモグラフィック」データを指定したシグナルとなります。
- 性別
- 年齢
- 子供の有無
- 世帯年収
「シグナル」の活用方法について
検索テーマの活用方法
①検索広告のデータを活用
検索キャンペーンで利用しているキーワードのデータを活用するパターンです。CV(成果)獲得に関係のあるシグナルについては、検索広告でCVが確認できる検索語句が有効だと考えられるため、過去1年間など、一定の期間でCVの母数(30件以上など)がある上位25個のキーワードを設定する方法です。
また、CVの母数が少ないケースでは、表示回数の上位の検索語句、クリック数の上位の検索語句などを設定するケースも考えられますが、プロモーションする商品との関連性があるのか確認したうえで設定をする必要があります。
②サービスと関連性があるキーワード
上記でも記載した内容となりますが、プロモーションする商品、サービスとは直接関係ないが、関連性が高いキーワードを設定する方法です。
- 事例:化粧品
「エステ」、「美容整形」などの美容関連サービスのキーワード - 事例:コラーゲンサプリ
「ヒアルロン酸」、「プロテオグリカン」、「セラミド」などの美容成分のキーワード - 事例:家具
「引越し」、「注文住宅」、「新築」などの家具を新調するケースのキーワード - 事例:プロテイン
「パーソナルトレーナー」、「スポーツジム」、「筋トレ」などののキーワード - 事例:ランニングシューズ
「スポーツメーカー名(NIKEなど)」「マラソン大会名(名古屋ウィメンズマラソン)」などのキーワード
検索テーマは、あくまでも「シグナル」として「Google AI」へ活用されるため、直接的なキーワードではないが、関連性が高いキーワードをあえて使用してみる方法も検証すべきかと考えています。
オーディエンスシグナルの活用方法
①「広告主様のデータ」へ集中させる設計
オーディエンスシグナルの中でも広告主のビジネスと関連性が高いシグナルと言えます。これまでP-MAXキャンペーンの実績で成果が悪い、またP-MAXキャンペーンへ悪い印象を持っている方は、「広告主様のデータ」だけのシグナルを設定したアセットグループを試してみてください。
計測タグを利用した「ウェブサイトを訪れたユーザー」に加えて、顧客のメールアドレスなどを利用した「顧客リスト」についても有効だと考えられます。特に定期販売のビジネスモデルの場合は、「定期顧客のみ」など、顧客リストを分けることで、最適なシグナルをGoogleへ伝えることができる可能性があります。
②P-MAX「分析情報」の活用
P-MAXキャンペーンで確認できる「分析情報」の中にある「オーディエンス分析」。アセットグループで設定があるオーディエンスには「シグナル」タグが付きますが、未設定のオーディエンスには「最適化」タグが付きます。未設定オーディエンスを「シグナル」としてあえて設定することで、これまでと違うパフォーマンスが期待できるケースが考えられます。
③カスタムインテントの活用
カスタムインテントを作成する際に「セグメントに関する分析情報」として、「表示回数(週単位)」、「性別」、「年齢」、「子供の有無」、「トピック」などの参考情報を閲覧することができます(赤枠箇所)。この参考情報がターゲットに近い属性になっているのかを確認しながら進めることが、一つの手法になります。
まとめ
今回はP-MAXキャンペーンで使用できる「シグナル」の種類と活用方法について考えてきました。運用レバーが少ないP-MAXキャンペーンの中で、広告の配信量、パフォーマンスを決める重要な要素となるため、「シグナル」の設定方法次第で、P-MAXキャンペーンの成果の改善が大きく変わるかもしれません。
当社ではP-MAXキャンペーンの運用に強みを持ち、分析情報を利用したクリエイティブ制作へも力を入れております。
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